こんにちは!
今日は2.5GHz帯の割り当ての結果について詳しく解説したいと思います。
 
FDD-LTEのことは下記をどうぞ。
各社LTE比較二度目!速度、帯域、帯域幅、カテゴリーについて!
 
昨日決まったのは割り当てです。
1)割り当てられれる2.5GHz帯について
今回の2.5GHz帯(2625MHz~2650MHz)の割り当てに対して、UQコミュニケーションズ(UQ)Wireless City Planning(WCP)の二社どちらにどう割り当てられるかを総務省が判断しました。
ちなみに2625MHz~2650MHzは元々モバHO!と呼ばれる衛星放送に使われていた帯域であり、2009年の3月いっぱいで放送を終了し、事業も終了したことで帯域に空きが出てそれを通信事業者が使おうというふうになったのが簡単な流れです。
実際帯域が空いてるのは、2650-2625=25MHzですが、他の帯域との干渉を防ぐガードバンドの5MHzを除き、割り当てられるのは残りの20MHzとなります。

2)TD-LTEとFDD-LTE
まずTD-LTEについて説明します。
TD-LTEとは時間分割複信で行うLTEの一種。(WiMAX、SoftBank4Gがこの仲間)
Xi、SoftBank4GLTE、au4GLTEFDD-LTEと呼ばれるものである。
簡単に言うと、FDD-LTEは上りと下りの専用道路がそれぞれあるが、TD-LTEは一つの広い道路を上りと下りで分割して使っているといった感じです。
まさに中央分離帯があり、上り下りに道幅が決まっていて分けられている高速道路(FDD-LTE)
センターラインの引かれていない道幅の広い国道をカラーコーンで上りと下りに簡単に道幅を分けた国道(TD-LTE)
と例えると分かりやすいかな?
TD-LTEでは上りと下りの道幅を変更することができ、上りを狭くして下りを広くしたりなど柔軟に行えるのが利点ですが、帯域幅の通信効率がFDD-LTEと比べると半分程度となっています。

3)会社説明
次に2つの会社の概要を説明したいと思います。
・UQコミュニケーションズ(以下UQ)
KDDI(au)の100%出資子会社であり、国内でWiMAX事業を行なっている会社です。
KDDIの傘下ということもあり、KDDIとの結びつきが強く、auでも過去にWiMAX搭載端末などが発売されています。
現在行なっているWiMAX事業に加え、TD-LTEと互換性のあるWiMAX2.1事業開始のために20MHzの割り当て申請を行いました。
現在の2.5GHzの保有帯域幅は2595MHz~2625MHzの計30MHzとなっています。
契約者数は2013年6月末現在約422万人となっています。

・Wireless City Planning(以下WCP)
SoftBank100%出資によりWILLCOMのXGPと呼ばれる事業と固定資産を譲受する形で設立された会社であります。
現在SoftBankの子会社となっており、SoftBank 4G(Android向け)のAXGPと呼ばれるTD-LTE完全互換の規格を使用してネットワーク事業を行なっている会社です。
SoftBank 4Gは子会社のWCPからAXGPの技術などを借りて運用しているMVNOと呼ばれるものになります。
Wireless City PlanningはSoftBank 4Gの高速化に伴い、20MHzの帯域幅をUQとWCPで10MHzずつ割り当てるように申請をしました。
現在の2.5GHzの保有帯域幅は2545MHz~2575MHzの計30MHzとなっています。(現在使えるのは20MHz幅だけで2015年より残りの10MHzを使える予定)
契約者数2013年6月末現在約153万人となっています。

上記のことから、実質KDDI vs SoftBankというようなことがわかります。
また、どちらも2.5GHz帯でTD-LTE互換の事業を進めており業種や立ち位置も同じです。
そのため、良きライバル会社とも見れるかと思います。

4)結果割り当てられた帯域
結果的に割り当てられたのは、UQ対し全帯域幅である20MHz割り当てられました。
UQは既存の30MHzの帯域幅にさらに20MHz幅を加えられたですから、
30MHz+20MHz=50MHz幅
50MHz幅を持つこととなります。
それに対してWCPは既存の30MHz(現在使える20MHz)に何も割り当てられなかったので、そのまま30MHz(現在使える20MHz)幅となります。
 
5)なぜUQに割り当てられたのか?
審査内容として、まず平成29年度末の基地局予定人口カバー率の比較をしました。
UQは96.3%、WCPが95.2%とほぼ同等の評価を受けました。
第2基準はA~Gまでの項目を両者で判定しするものです。
引き分けならポイントはなし、評価が良い場合のみ1ポイント割り振られるという仕組みです。

・Aは人口カバー率なので、上のように両者ポイント無しと成っています。

・Bは屋内エリアや高速化技術、電波の効率的利用計画などによって判定されます。
UQが屋内エリア化対応、新幹線トンネル内エリア化、ハンドオーバーの品質向上、アクセス制御技術導入などでUQに1ポイントです。 

・Cは設備の安全や信頼性の充実が争点となります。
ここではWCPが基地局備え付けの自家発電機への燃料運搬のことなどでWCPに1ポイントです。 

・DはMVMOと呼ばれるサービス提供の柔軟さやMVMOを行なっている事業者に対する説明会や計画が十分に行われているとして、両者同点、ポイント無しとなりました。

・Eでは周波数帯幅に対する1MHzあたりの契約者数を算出したもので、UQが1MHzあたり13.6万契約、WCPが1MHzあたり6.1万人となり、帯域幅が必要とされているのはUQとの判断、UQに1ポイントです。

・GではBと同等の基準であり、こちらもBと同様UQに1ポイントとなりました。 
上記のことから、UQが3ポイント、WCPが1ポイントとなり、UQに振り分けられることになりました。
UQは10月よりWiMAX2.1のサービス開始を予定しています。 

6)まとめ
やはり契約者数が一番効いた判断基準だと僕は思いました。
422万人と153万人では、WCPからすると約2.8倍の契約者数の差があります。
そのため、UQが50MHz幅、WCPが30MHz(2015年までは20MHz)幅ということで、
帯域幅の両者の比率は50÷20=2.5ということになり、UQが契約者同等2.5倍程度のなるので、UQに20MHz割り当てられたのは妥当な判決だと思います。
WCP兼SoftBankの孫社長は10MHz幅ずつにするべきだ、行政訴訟を起こすと言っていますが、これは間違っているかなと私は考えます。。
SoftBankの主戦力はiPhoneですし、iPhoneはこのSoftBank 4G(AXGP)を使えないため、すごい勢いで契約者数が伸びることは考えにくいですし、現状SoftBank 4Gは帯域も空いていて速度もかなり出ています。
ですので、僕はこの結果に満足です。
WiMAXは当ブログでも何度も言ってるように、帯域制限のない唯一のモバイル通信サービスです。
ですので、次期WiMAXのWiMAX2.1でも帯域制限なし、もしくは30GB制限など他社のLTEの制限よりもかなり緩和した策を出して欲しいと思います。
また過去に出たWiMAX搭載端末もWiMAX2.1でも出るといいですね!
とにかく訴訟などが起こった場合また記事を書きたいと思います。
文だけの記事となってしまい読みにくいかと思いますが、記事は以上です。