おはようございます。
管理人のしょーやです。
今日は日曜日ということで皆さんゆっくりお過ごしかと思いますが、僕はバイトです。(疲れた顔)
ということで本日は昨日発表されたSIMロック解除の義務化について話したいと思います。
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今回の記事は文章だらけの記事となるので、さらっと読んで理解していただけたら嬉しいです。

 
1.SIMロックとは
まず本題に入る前にSIMロックというものを理解してなければいけません。
SIMロックというものはSIMにロックがかかっているのではなく、端末にロックがかかっているのでここを勘違いしないようにして下さい。(なんかどっかの大手メディアが間違えてた気がするw)
このSIMロックというものは、特定のSIMカード(大体は自社のSIM)のみしか認識しないように端末側の方で制限をかけられています。
ですので例えば、
  • ドコモのスマホに、SoftBankのSIM
  • SoftBankのスマホにドコモのSIM
  • auのスマホにドコモのSIM
みたいな上記のような例は基本的に使用できません。(ドコモの場合税抜3000円でAndroidスマホはSIMロックを解除できる。)
スマホを販売しているキャリアとSIMカードのキャリアが合致してない限り使えない仕組みとなっています。(MVNOもドコモ系、KDDI系とある)

2.なぜSIMロックをかけるの?
わざわざめんどくさいSIMロックなぜかけるのっていう疑問が出てきますよね。
様々な理由があります。

日本ではキャリアが端末とサービス両方を提供しています。
日本のキャリアは販売店に販売報奨金を出し、それを元手に大幅に割引いた価格で端末を販売しています。
この販売報奨金の元になるのが僕達が支払う利用料となるわけですが、キャリアは端末代金を通信料等から回収するシステムとなっているのです。
そのため、途中で乗り換えられてしまったり、他社でも使えるSIMフリー端末の場合、自社の通信サービスを利用してくれず、通信料が発生しないため、その分の端末代金や利益が回収できずに大きな打撃を受けるというわけです。
2年契約(縛り)も継続的に利益を得るためにキャリアには必要なこととなっているわけです。
上記のように3キャリアとも月々に割り引いてくれるものがあります。
割引サービスを適用すると、「端末が実質0円!実質9800円!」なんて言って販売しているショップも少なく無いですよね。
これは月々に
(支払う分割の端末代金-割引サービス)×24
が0円だったり9800円だったりするということを言っています。
しかし割引サービスは実は端末からは引けない割引なのです。
これは現在だとパケット通信料や基本プランから引かれる形となっています。(パケットプランの契約が必須)
つまりパケットプランを外してしまうと、この月々の割引サービスは受けられなくなります。
キャリアはパケットプランを継続的に2年間契約させるように縛り付けることで利益を安定させることが出来るのです。
基本的にはパケットプランの金額>割引サービスの金額なのでこれだけでも端末代金と十分な継続インセンティブが得られます。
もしパケットプラン解除されたり、他社に移動されたりしても割引サービスが止まるため、割引分の収益割れはなくなります。
現状では乗り換える場合は契約を他社に変更するだけではなく、SIMロックがあるため今まで使っていた端末は他社で使えません。
そのため、他社の端末新たに用意(購入)しなくてはなりませんし、大幅な負担となります。
また契約解除の違約金として税抜9500円が必要となります。
このようにしてキャリアは僕達を縛り付け、囲い込みをしているのです。

他にもメーカーとキャリアのつながりもこのSIMロックがあるから強く結託しているという説も存在します。
キャリアが販売しやすいスマホをメーカーに作らせることで利潤を追求できる他、開発費などもキャリアとのつながりがあるため、ある程度の収益が見込め多く投資できる部分もあるでしょう。
開発費も自社だけで販売するスマホですから、キャリアが負担することもあります。
例えばNTTドコモでは2009年にメーカー支援のため100億円規模の開発費負担を発表しています。
メーカー支援のため、100億円規模の開発費負担を発表-NTTドコモ 山田社長(ITmedia)
メーカーがどの層に向けて販売するかなどもキャリアの販売実績等を考慮し、製品に反映することで効率良く利益を得ることが出来るでしょう。

キャリアにとってSIMロックはメリットが多いのがあります。
自社の通信サービスを利用してもらうことができ、囲い込みも出来る。
そして自社に合った良い端末を販売できる。
これがSIMロックが存在する大きな理由であると僕は考えます。

3.SIMロック解除の義務化でどうなるか?
総務省の狙いとしてはSIMロックを解除することで現在の割高な料金を引き下げる狙いがあるようですが、個人的にはそのようになるにはSIMロック解除だけでは不可能ではないかと思います。
しかし乗り換えがしやすくなり、使い慣れた端末を使い続けられるという点では利点があると思います。

4.SIMロック解除だけは解消されない問題点
SIMロックが解除されたからすべてが解決するわけではありません。
携帯電話を他社で使うためには多くの問題点があります。
  • 他社の周波数帯が使えないなど性能を最大限発揮できない。 
  • 端末自体のキャリア対応の手立て。
    キャリアでは使っている周波数帯が異なるほか、3Gでは規格も異なります。
    そのため乗り換え先ではこのつながりやすい周波数帯が使えないなどの問題が出てきたり、最大限端末の性能を発揮できないのです。
    現在各キャリアで販売しているiPhone5s/cの中身の違いはSIMロックがキャリアごとにかかっているだけです。
    今後SIMロック解除が一般化されれば、iPhoneのような端末で国内で使われている周波数帯ほぼすべてを利用できる端末の開発が求められます。
    またすべてをカバーしなくても全キャリアで使えるように開発する必要がありますね。
    携帯電話の周波数帯バンドをまとめてみた!
     
  • 2年縛りや制限解除等の緩和
    まず2年縛りですね。
    ズルズルと支払いに引きずられていたら乗り換えも気軽にできないものです。
    もちろん2年縛りがあるから安く利用できる場面も少しはありますので難しいところです。

    現在NTTドコモではSIMロックフリー端末を利用する場合、通常ドコモスマホが利用しているspモードという接続先ではなく、MoperaUという接続先ではないと通信ができません。
    このようにキャリアは不正入手等された端末以外接続できるような環境を整える必要があります。
    そのためにはデータ通信を接続するためのポイントであるアクセスポイント(APN)の開示等も必要となってきますね。

  • その他いろいろ
    キャリアではキャリアで販売されている端末でしか利用できないサービスが有ります。
    例えばauで言えば、auスマートパスやau Wallet、docomoで言えばdサービスなどがあります。
    これは端末が自社で販売しているものだから実現していることもあるため、SIMロック解除が一般化された場合キャリアの収入が大幅に減る可能性もあります。
    現在はキャリアは通信料だけはなくコンテンツで生きている部分もありますので、この収益が低下すれば通信料の値上げという方向性も考えられます。
    またこのコンテンツをSIMフリー端末で利用できるように、整えるにもお金がかかりますね。
    dサービス等は他キャリアのスマホで利用できるようになりつつありますが、基本的には自社の契約をして自社のスマホを使っている方に提供するほうがサポートや収益の安定を見込めるので難しいところだと思います。
    その他にも設備の変更など問題点はたくさんあるでしょう。  

5.まとめ
SIMロック解除することは悪いことではないですが、物事にはメリット・デメリットが発生するのと同じで今回の場合も発生するということを頭に入れておいて下さい。
また国内のキャリアのビジネスモデルやSIMロックをかけている理由も少しは理解して頂けたと思います。
何事もただ使うだけではなくどういう仕組なのか理解することが重要ですよね。
少し憶測の部分もあるのでそこは個人ブログということで大目に見て下さい。
個人的にはキャリア側にもメーカー側にも消費者側にも中立に考え述べたつもりです。

自由になるということが全て良いというわけではないと僕は考えます。
SIMロック解除を強行する前にほかにもキャリア側やスマホを作っている製造メーカー側での準備が必要ではないかと思います。
使い慣れた端末を使い続けられ、キャリアを自由に行き来できることは良いことだと思います。
果たして日本の通信事業はどのようになっていくか見ものでもあると思います。
記事は以上です。
Source:NHK NEWS WEBIT用語辞典e-Words