初めまして。今回はじめて記事を書かせていただくfoxと申します。


今回、韓国LG Electronicsの2014年グローバルフラッグシップ機種である、「LG G3」を購入したのでレビューしてみたいと思います。


G3リア


G3には様々なモデルが有りますが、今回購入したのは国際向けのLG-D855の32GBモデルです。
16GBはRAM 2GB、32GBはRAM 3GBなので32GBを選んでみました。eBayで新品で約70000円くらいでしたね。 

「Learning from you」をテーマに、リアキーなどで利便性の向上を目指した先代「G2」に続き、今年の「G3」では「Simple is the New Smart」という新しいテーマの下、ブラッシュアップを掛けてきました。
これまで先代のG2を使用してきたことも踏まえ、比較しながらG3を見て行きたいと思います。



G3とG2の仕様比較

G3仕様表

 G2とG3の仕様を比較してみました。(どちらも国際版の仕様)

CPUだけの性能を見ると劇的には向上していません。MSM8974からMSM8974ACでは、CPUやGPUなどで向上が見られますが、体感でわかる差ではないでしょう。
WQHDという高解像度なことから動作面で不安を感じていましたが、購入後すぐに来たV10Bアップデートで動作が軽くなり、G2と比べても特に重いと感じることはありません。(アップデート前のV10Aは目に見えて重かったですが...)

やはりG2とG3の大きな差は、CPUなどのコンピュータ的な部分というよりも、デザインやレーザーAF、5.5インチWQHD解像度のスクリーンの採用という点でしょう。



1)筐体サイズと重量

前から比較

5.5インチクラスということで、やはり大きいですね。とは言え、LGは狭額縁が得意なため、横幅は74.mmに抑えられていおり、大型化するにしてもできるだけミニマムに抑えようという配慮が感じられます。(5インチでほぼ同じ横幅の機種もあるので...)

重量も、大型化にかかわらず4gの増加に留まっており、G2とG3を持ち比べてみた感覚では重さの違いは感じられないレベルでした。
5.2インチのXperia Z2が163g、5.1インチのGALAXY S5が145gであることを考慮すると、5.5インチというサイズで147gに抑えることが出来たのは十分評価できます。



2)スクリーン

 WQHD的な

スクリーン解像度は2560×1440(WQHD)、画素密度538ppiという凄まじい数字となっています。他にもOPPO Find 7やGALAXY S5 LTE-A G906SなどがWQHD解像度ですね。

一般的なフルハイビジョンテレビが1920×1080(FullHD)であることを考えると、いかにスマートフォン向けの技術の向上が目覚ましいかということを実感させられます...
ここまで来るとスクリーンの精細さは、表現の細かさに関しては印刷物と変わらないレベルといえるでしょう。

液晶の種類は、LG端末では昔から当たり前なIPS液晶を採用しており、視野角にも優れています。

色味については、G2と同じ写真数枚で比較してみると、相対的にG3の色温度は低いようです。ただ、G2は(個人的に)目に刺さるように感じていたので、それが少し和らいだと考えればよかったのかもしれません。




3) デザイン

後ろから比較

基本的にはG2を継承したかのようなデザインになっていますが、よりブラッシュアップされた印象を受けます。

G2ではブラックとホワイトは背面がツヤ加工であったことから、指紋がつきやすいなどの報告がなされていました。
G3ではG2での不満と、さらなるデザイン性向上を目指し、バックパネルは全5色でメタリックスキンでヘアライン加工がしてあります。バックパネルはポリカーボネートで出来ていますが、一見まるでアルミ製かのような高い質感があります。指紋も付くにくいですね。


G3リアキー

背面にはG2譲りのリアキーを装備しており、利き手にかかわらず操作しやすくなっています。慣れれば使いやすいです。
リアキーを操作するときにしばしばカメラのレンズカバーに触れてしまうという報告を見かけますが、G3では音量上下のキーが凹んでいるので誤って触れることは多少は少なくなるかと思います。
(それでも時々触れてしまいますが)


ラウンドフォルム

形状は「Floating Arc Design」と称したラウンドフォルムで、比較的手にフィットしやすいのではないでしょうか。このような形状なので、大型な筐体ですが持ちにくさはあまり感じません。 



4)カメラ

G3のカメラは、「OIS+」と「レーザーAF」を特徴としています。


「OIS+」
OIS+は、光学手ブレ補正(Optical Image Stabilizer、OIS)と 電子手ぶれ補正を組み合わせたもので、ジャイロや補正レンズで光学的に手ブレを軽減し、ソフトウェアでも補正を置こうなうというものです。

G2ではOISのみでしたが、G3ではOIS+に強化されています。多少の手ブレなら気にする必要はないでしょう。 


「レーザーAF」
レーザーAFは、レーザーを発振し、反射時間を利用して割り出した距離を元にフォーカスを補佐するものです。

レーザーセンサー

この黒い楕円の部分がレーザー発振器で、発振されたレーザーの反射を利用します。

レーザーAFは暗所でもAFが早いとされ、実際に光源の限られる暗い場所で、G2やiPhone 5と比較してみましたが、最終的にフォーカスが合うまでの時間はG3の方が幾分早かったです。
明るい場所でのAF速度は、GALAXY S5の位相差AFといい勝負なようですが、暗所でどのような差がでてくるか比較していみたいですね。

ちなみに、レーザーと聞くと眼に悪いのではないかと思われるかもしれませんが、少し赤く光っている程度で、ほぼ気にならないレベルです。(ちなみに、リアカメラ起動中はレーザーを絶えず出し続けるようです)


私はあまりカメラに明るくないのであまり 参考になるかは分かりませんが、HDRで撮影したサンプルとなります。

G3写真サンプル

 


5)インターフェイス と機能

インターフェイス
ユーザーインターフェイス(UI)はWindows Phone 8.xやiOS 7.x、Windows 8.1などのように、今流行りのフラットな UIに変わりました。
これまでLGスマートフォンで採用されてきたUIでは、影や奥行きなどが表現されていましたが、新しいUIではコレラがかなり少なくなり、フラットなUIになっています。

フラットUIが好きかどうかは個々人次第ですが、LG端末が急にフラットUIになったので私はまだ慣れきれていませんね...

 フラットUI_2フラットUI_1



ノックコード

 

この機能は「ノックコード」というもので、予めユーザーが設定したパターンで画面をタップすることでロック解除を行うというものです。
これまで、LGスマートフォンでは画面OFF時に2回タップすることでロック解除を行う「ノックオン」を装備してきましたが、ノックコードはノックオンの手軽さとセキュリティ強化を両立した面白いロック解除法に進化しています。


ノックコードは、G Pro 2に初めて搭載され(OIS+もG Pro 2が初めて)、2014年発売モデルには全機種搭載されるようです。2013年モデルではG2、G Flex、isaiがAndroid 4.4.2アップデートと同時に対応します。また、日本向けだと2014年夏モデルのisai FLと、BIGLOBEから発売されるG2 miniでも対応しています。



Smart Notification

SmartNotifications

G3には新たにSmart Notificationという機能があります。
ウィジェットして提供され、パッと見ではただの天気ウィジェットのようにも見えますが、天気予報から雨具や服装の提案をしてくれたり、ワンタッチメモの通知、コールバック通知、カレンダーや連絡先の誕生日のお知らせ、連絡先追加の通知といった様々な通知を表示します。

が、実用的かというと、なんとも言えない微妙なところですね...




6)不満点

カメラアプリ

カメラアプリ比較

G2のカメラアプリでは、ISO、露出、ホワイトバランスといった基本的な設定に加え、夜景モードやスポーツ、タイムキャッチ、色調調整、マニュアルフォーカス、Audio Zoomなど、様々な機能や設定変更などが利用できたのに対し、G3ではこれらが一切出来ません。
UIも含めて、シンプルに撮影できるようになったといえば聞こえはいいかもしれませんが、露出やISO、ホワイトバランスすら設定できないのは流石にカメラとしては痛いのではないかと思います。

リアキーでカメラを起動し、高速AFで手早く撮影できるという手軽さの面では優れていますが、細かく設定しての撮影は非常に不得手となってしまっています。

追記1
 
SDカードに写真が保存できないかと思っていましたが、micro SDカードを挿入することでカメラアプリ内に保存領域をSDか内部ストレージにするか選択できるオプションが追加されました。

追記2
またジオタグの付加のオンオフが位置情報サービスの設定でしか切り替えができず、カメラアプリ側でオン・オフできないのは非常に不便です

バッテリー
G2が取り外し不可能な3000mAhバッテリーだったのに対し、G3は取り外し可能な3000mAhバッテリーになっています。この点では使い勝手は向上しています。

しかし、私の使い方ではこの容量でも一応1日は持つのですが、体感ではやはりG2よりバッテリーの減り方が大きいように思います。
同じくLGのG Flexがバッテリー持ちの面で好評だったのでここは残念な点ですね。

やはりスクリーンが大型化し解像度も上がったことが原因かと思いますが、筐体が大きくなった分、もう少し容量の面で努力して欲しかったと感じます。
LGは「消費電力が少ない場合電圧を下げて駆動時間を伸ばす」と喧伝していますが、あくまでそれは待受時の話であり、通常使っている分には、とりわけ持ちが良いとは感じないので、この点は改善してもらいたいですね。



7)総括

G3フロント


品質が高く、素晴らしいデザイン性の筐体や、高解像度で大きなスクリーンと、高速AFは個人的には満足行くレベルだと思います。

ノックコードの反応や、リアキーなども順当にG2から改善され、全体的によりユーザーライクになっているとも感じます。

しかし、それ以外では、シンプルさを追求しすぎて機能までシンプルになってしまったカメラアプリと、大画面の割にそれほど大容量とはいえないバッテリーを次のモデルでは改善して欲しいですね。 

(7/22 カメラアプリについて追記)

Source:LG Electronics UK