こんにちは、foxです。

BlackBerry Q5を少しの間使ってみたのでQ5と、BlackBerry 10について見て行きたいと思います。

※この記事には筆者の見解や意見が多分に含まれています。もし明らかな誤りなどがあった場合はご一報いただければ幸いです。

BlackBerry_Q5_front


・ BlackBerryについて


BlackBerryはカナダのBlackBerry社(旧Research In Motion)が手がけるプラットフォームです。

スマートフォンの向けプラットフォームの中でも古くから存在しており、2007年にAppleから初代iPhoneが発表されるまでは、MicrosoftのWindows MobileやNokiaのSymbian OSと並んで、スマートフォン向けOSの一方の雄の立場にあるプラットフォームでした。


BlackBerryは従来、個人向けにはBlackBerry Internet Service(BIS)、法人向けにはBlackBerry Enterprise Solution(BES)というサービスを利用します。

前者のBISはBlackBerryのサーバー(BlackBerry Infrastructure)に、後者のBESは企業内のイントラネットに設置されるサーバー(BlackBerry Enterprise Server)に接続します。

旧来のBlackBerry(7.1まで)が他のOSと大きく異なるのはこの点で、通信の暗号化を行いセキュリティ面で強化をし、データ圧縮を行いパケット通信量を節約します。(BISではBlackBerryのサーバ側が、BESでは企業側が暗号化します)


これらの機能で市場シェアを獲得し、オバマ米大統領が使用するなどで大きく注目されることもありましたが、2000年代後半以降、iPhoneで採用されるiOS(iPhone OS、OS X iPhone)やAndroidの台頭を許してしまい、BlackBerryの市場シェアは非常に厳しく、BlackBerryの米国でのシェアは1%にも満たないと言われています(参考: businessnewsline)


このように、BlackBerryを取り巻く環境が非常に厳しくなる中、2012年5月1日、フルモデルチェンジを遂げた新OS「BlackBerry 10」を発表しました。

主な点として
・個人向け使用でBISが不要
・スワイプなどのジェスチャーをサポート
・マルチタスク強化
・クイック設定
・メールやSNSなどの複数のサービスの通知や返信ができるBlackBerry Hub
・AndroidランタイムをサポートしAndroidアプリが使用可能
(OS 10.1ではAndroid 2.3、10.2ではAndroid 4.2.2、10.3では4.3に互換)

としており、個人的にはエンタープライズというよりはコンシューマ向けに少し近づいたのではないかと感じます。 

BlackBerry 7.1までは、パケット通信にBIS契約が必須で、事実上、日本ではBISを唯一提供するNTTドコモでしか使用できませんでしたが、BlackBerry 10ではBISなしでもパケット通信が可能になりました。

これらのソフトウェアのレビューは次回行いたいと思います。


・ BlackBerry Q5仕様


では長ったらしい話は終わりにしてBlackBerry Q5を見ていきます。


 Q5仕様


仕様はこんな感じです。

BlackBerry Q5には、4G LTEモデルが2種、3Gモデルが1種あります。(4Gモデルだと思って買ったら3GモデルのSQR100-3で私は死にそうです) 

3Gモデルは4G LTE非対応に加え、NFC Type A/Bも非対応になっています。

CPUはQualcommのSnapdragon S4 PlusのMSM8960を1.2GHzにアンダークロックしたものになります。この辺りの仕様をどう捉えるか、価格もそこそこで買えますから、悪くはないと思います。

地味に嬉しい点はRAMが2GBあるところですね。BlackBerry 10ではマルチタスク強化も目玉の一つになっていますから、RAMが多いとマルチタスクも使いやすくなるでしょう。

カメラについては...おまけ程度のものでしょう...。機能面やカメラアプリのインターフェイスなどでも特筆すべき点もないですし、期待するレベルのものではありませんね。 

セルラー通信周りには一癖ありますね。私は気付かずに3Gモデルを買ってしまいましたが、4G LTEモデルであっても、SQR100-1はLTEバンド 2/4/5/17で一切日本のLTEバンドに対応せず、SQR100-3も、バンド3/7/820です。

SQR100-3であれば、NTTドコモの東名阪バンドかつ、ソフトバンクモバイル・ワイモバイルの共用であるB3と、ソフトバンクが展開予定のB8が使えます。

とは言っても、ドコモのB3は東名阪のみでしか展開していないの注意が必要です。

また、ソフトバンク、ワイモバイルで使用する場合も、APN周りにかなり癖があるので、、事実上使用不可といえるレベルです。(次回紹介)


・ 筐体、ハード

 
Notification Center on Q5
 
フロントビューはこんな感じです。

BlackBerry 10はタッチパネルでのジェスチャーをサポートし、またBlackBerry Bold 9900まで盛んに採用されてきたトラックパッドを装備しないという関係から、画面占有率はBlackBerryデバイスの中ではやや大きい方だと思います。電話キーなども非搭載ですね。


スクリーンは720×720の3.1インチの液晶で、液晶方式はIPSです。買いやすい価格にもかかわらず、IPS液晶で優れた視野角を備えている点がポイントです。

もちろん、静電容量方式タッチパネルになっています。BlackBerry 10ではタッチ操作が増えていますね。

しかし、BlackBerry 10でタッチパネルの使用比率を上げたことにより、物理キーボードとタッチパネルの操作を行ったり来たりで煩雑になってしまっている感があるのは残念です。

Q10やQ5ではトラックパッドや電話キーは搭載されませんが、2014年Q4に登場予定のBlackBerry Classicではトラックパッドや電話キーが復活するので、往年のBlackBerryファンにとっては期待できるものとなるでしょう。


裏筋 of Q5

リアビューになります。マットな質感ですが安っぽさは感じず、指紋もつきにくくなっています。銀メッキ処理されたBlackBerryロゴがかっこいいです。

筐体も比較的小型で、角が立っていないラウンド形状のため持ち安さという点ではかなりGoodです。


 QWERTY

QWERTYキーボードはこんな感じです。

BlackBerryといえばやはりQWERTYキーボードにつきます。フルタッチパネルタイプのZ10、Z30などもありますが、やはりBlackBerryがBlackBerryたらしめるアイデンティティはこのQWERTYキーボードであると感じます。

エケセテネさんのBlackBerry Q10の記事と見比べてもらうとお分かりいただけるでしょうが、上位モデルのQ10とは違い、Q5のキーボードはボタン一つ一つの距離が結構離れています。

Q10かQ5か、どちらのキーボードが使いやすいかという点は個人差があるかと思いますが、比較的手が大きい私でもQ5のキーボードが打ちにくいと感じることはあまりありませんね。


上

上部には電源キー、3.5mmヘッドホンジャック


左側面

左側面は各種スロット(左がmicro SD、右がmicro SIM)


右側面

右には音量キーとミュート/ボイスコントロールキーがあります。


 Q5's Camera

背面には5MPのシングルLEDフラッシュ付きのAF対応カメラが搭載されています。

AF速度は...やはりG3の高速なレーザーAFに慣れてしまうと非常に遅いですね...。

撮影モードには、「標準」「手ぶれ補正」「バースト(連写)「HDR」があります。手ぶれ補正はソフトウェアのみで、光学手ブレ補正は非搭載です。

シーンセレクトは、「自動」「アクション」「ホワイトボード」「夜」「ビーチまたは雪」があります。ホワイトボードというシーンがあるあたりがなんとなくBlackBerryっぽいですねw

フラッシュのついてはシングルなので、やはりデュアルLEDのカメラと比べると、フラッシュを焚いてもあまり明るいとはいえません。

BlackBerry Q5がミッドレンジであることを考慮しても、機能面でも画質面でも、やはりカメラの出来はメモ程度に使うレベルでしょう。 




今回はここまでです。次回はソフトウェアを見て行きたいと思います。

Source:GSM Arena