こんにちは、foxです。

前回に続き、BlackBerry Q5及びBlackBerry 10の見て行きたいと思います。

※この記事には筆者の見解や意見が多分に含まれています。もし明らかな誤りなどがあった場合はご一報いただければ幸いです。

ロゴやね



前半ではハードウェアと筐体を見てきたので、後半では主にBlackBerry 10のソフトウェアを見て行きたいと思います。


・ BlackBerry Hub

BlackBerry Hub_2
 
BlackBerry Hubは、BlackBerry 10に新たに搭載される統合通知センターです。BlackBerry純正のメッセージングサービスである「BBM」以外にも、着信、留守番電話、メール、Twitter、Facebook、Foursquare、PINメッセージなど、ありとあらゆるソーシャルな通知を一つに場所で確認できます。

BlackBerry Hub

BlackBerry Hubはホーム画面から一番左へスワイプすることでアクセスできます。

私はキャリアメールやGmail、Twitter、Facebook、Foursquareなどを登録しています


・ マルチタスキング

マルチタスキング

BlackBerry 10からはマルチタスク機能でタスク切り替えが簡便になっています。こちらもホーム画面からアクセスすることができ、ホーム画面ではBlackBerry Hubの右隣りに位置しています。

起動したアプリケーションはこのマルチタスク画面に表示され、起動したアプリが4つ以上になると、更に下に表示されていくようになります。


・ クイック設定

クイック設定


Android端末の多くやとWindows Phone 8.1はスクリーンの上から、iOSでは下からスワイプすることでクイック設定を呼び出すことが出来ますが、BlackBerry 10では上からスワイプすることでクイック設定を呼び出すことが出来ます。

最早昨今では当たり前とも言えるこの機能、やはり実装して損はありませんね。ただし、BlackBerry Hubという統合通知システムがあるので、BlackBerry 10ではここでは通知は表示されません。

 ・ ネットワーク周り
 
個人向け使用ではBIS契約が必須であった以前のBlackBerryに対し、BlackBerry 10ではBISは不要となり、ユーザー側でAPNの設定ができるようになりました。

以前のBlackBerryではAPNが自由に設定できなかったため、事実上BISを国内で唯一提供していたNTTドコモでしか使用できませんでした。

APN
 
この様に、ユーザー側でAPNが設定できるようになっています。今回はIIJmioのSIMを使用しています。


しかし、上で「ユーザー側でAPNを設定できる」 と書きましたが、一筋縄でいかないのがBlackBerry 10。どのキャリアでも自由に使えるわけではないのです。この点が私のBlackBerry 10に対する最も大きな不満点です。

例えば、上の画像のように、IIJmioのSIMを挿した場合はAPNを主導で設定することが出来ます。
しかし、ソフトバンクのiPhone用のSIM(黒SIM)を挿すと、APNの設定の部分がグレーアウトしてしまい、APNを設定できません。APNが設定できないということは、つまりパケット通信を用いてメールやネットが出来ないということです。

BlackBerryではiPhoneのようにAPNがビルトインされており、ビルトインされていないキャリアではグレーアウトしてしまうようです。つまり、キャリアによってはデータ通信ができないということになります。

しかし、全てのOSバージョンがダメということではなく、OS 1.0.2のリーク版ではソフトバンクのSIMが利用できるなど、対応状況はまちまちなようです。

IIJやmoperaなど、ドコモ系のISPであれば問題ないようです。 


この点については唯一声を大にして不満だといえる点です。せっかくBISが不要になったと言っても、APNが自由に設定できないようでは、対応は不十分と言わざるを得ません。ここは是非改善して欲しい点の一つです。 


・ Androidアプリが動作する  
 
まさかのまさかですが、BlackBerry 10ではAndroidアプリをサポートしています。10.1ではAndroid 2.3、10.2ではAndroid 4.2.2、10.3ではAndroid 4.3のランタイムと互換があります。(多分DalvikVMのことですね)

BlackBerryのタブレットであるBlackBerry PlayBookではAndroidアプリをサポートしていましたが、スマートフォン向けBlackBerryでもv10から対応することになりました。

Q5ホーム

いくつかAndroidアプリが並んでますね....

そばちゃ
 
Android向けのuserstream対応の人気Twitterクライアント「SobaCha」を起動している画面です。userstreamももちろん使えます。

Androidアプリの入手方法としては、
1.「Snap」というGoogle PlayクライアントをPC経由で導入し、そこからインストールする
2.開発モードをオンにした状態で、「DDPB」というWindowsアプリケーション経由でインストールする
3.同じく開発モードをオンにした状態で、「PlayBook App Manager」というChromeアプリでChromeからインストールする
という3つの方法があります。

ただし、やはり全てのアプリが使えるわけでなく、Googleアカウントを使用するアプリなどは起動できませんし、それ以外にも動かないアプリは少なくありません。



さて...Androidアプリが起動するという点では、不足するアプリを補完するという意味では、私達ユーザーにとっては歓迎することです。 

しかし、BlackBerryがこういう対応をとった背景には、やはり「BlackBerry 10向けのアプリが少ない」という厳しい事情があるのではないかと勘繰ってしまいます。今は身売り話も出るほど台所事情も苦しいはずですから、豊富なAndroidアプリは喉から手が出るほど欲しいでしょう。

2000年代後半までBlackBerryが有していたモバイルOSの覇権は最早AppleとGoogleに奪われてしまい、デベロッパもよりユーザーが多いプラットフォームへとリソースを注いでいるはずです。

そうした事情を鑑み、Androidアプリに互換をもたせたのではないかと考えてしまいます。

現在ではAndroidアプリのインストールは、一般ユーザー向けの機能ではありませんが、今後Androidアプリの入手先として米Amazonが提携に名乗りを上げています。(参考: 「ブラックベリー、アマゾンと提携」,JBpress)
(ただ、様々な記事を見ても、Amazonから提供予定のアプリがBlackBerryのネイティブなアプリなのか、Android用のアプリなのかは私は断定できませんでした。)

こういう話を聞いてしまうと「ああ、BlackBerryは衰退してしまったんだな」と感じてしまい、少々寂しいですね...。 


・ まとめ

ここまで、BlackBerry Q5を通じてBlackBerry 10を見てきました。

BlackBerry Q5自体は、Boldシリーズなどと比べて電話キーなどの物理キーが廃止されている点などでは若干の不満を感じますが、買いやすい価格にもかかわらず2GBのRAMや視野角に優れるIPS液晶を搭載するなど、コストパフォーマンスには比較的優れているのではないかと感じます。

中身であるBlackBerry 10については、それまでのVer7.1からの大転換を迎え完成度には「?」と感じてしまい、まだ発展途上にはあるなと思います。特にAPN周りに関してはいち早く改善してもらいたいです。

しかし、タッチパネルを用いたジェスチャーや、SNSやメールなどの通知を網羅するBlackBerry Hub、そしてこれまでBlackBerryデバイスでは大前提であったBISを捨てるという思い切った決断など、これまでよりコンシューマユースにアプローチしていると感じます。
ビジネスユースだけでなく、大衆に対しても訴求力を高めていくのでしょう。

今後は往年のBlackBerryを彷彿させるような「BlackBerry Classic」や、比較的大型なディスプレイに物理QWERTYキーボードをミックスした「BlackBerry Passport」など、魅力的な機種のリリースも既にアナウンスされていますし、BlackBerryには是非負けずに頑張っていただきたいというエールを結びにしたいと思います。